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セイウチは昔はトドだった!?

ペキニーズ

鰭脚類3種の最後がセイウチ科セイウチです。孤独な奴で、これ1種しかいません。
よく、セイウチのことを「トド」という人がいます。
これは、実際、ロシアでは「トド」のことを「シヴィーチ」と呼んでいてそれが語源だからです。
つまり、一部ではセイウチをトドとしているのです。特に日本のご年配者にそうした傾向が高いです。
1962年から放送された特撮モノ「ウルトラQ」では、セイウチそっくりの怪獣が登場していて、「トドラ」と言ってました。
つまり、当時、この番組を作成する者は「セイウチ」を「トド」と呼んでいた証拠ではないかと考えます。
彼らが当時30歳として、現在80歳ですから、やはりセイウチは昔はトドだったのです。

セイウチは鰭脚類の中で、唯一牙を持っています。この牙の迫力は物凄いです。
しかし、彼らは牙を武器にして捕食せねばならないような大型の生き物を攻撃しません。貝類や甲殻類を食べています。
この牙は繁殖のときにオス同士がこれで戦いますが、生えている角度から、攻撃には適していません。迫力のみ。
牙は雌雄両方にあります。これは海底を掘って貝などを漁るための道具ですから雌雄共に生えているのです。
ただし、オスの方が長く1mを超える物を持っている者もいます。

体格は雌雄に差はあまりありませんが、ハーレムを作ります。

鰭脚類はこれで全員集合しました。
一部のゲーノージン型の「ジャバ・ザ・ハット」は鰭脚類に似ていますが鰭脚はなく「ナメクジ」に近いものと考えられるので省きます。

「鰭脚類」という生物学上の分類名が固定されたのは1980年代です。
ですから、今回これを読んではじめて知られた方も大勢いらっしゃるはずです。
実は、この分類に決着がついたのはミトコンドリアDNAの研究によるもので、それまでは、各種、違った祖先を持ち、
海洋生活への適応という共通の必要性から「収斂進化」が起こったことによる外見上の類似に過ぎないと考えられていました。
「収斂進化」とは、違った生命系が同じ環境に適応するため、結果的に似た状態となっていることを言います。
鳥類である鳥と哺乳類であるコウモリ。哺乳類のネズミと有袋類のフクロネズミ、
同じくオオカミとフクロオオカミがこれにあたります。まるで違う生き物にも起こります。
オケラとモグラ。名前が似ているのは偶然でしょうが、「前足」はほとんど同じ形です。

アザラシやアシカ、オットセイたちは「収斂進化」により似た体型であると考えられていましたが、近年決着がつき、
全員「ネコ目イヌ亜目」です。鰭脚類3科、アシカ科、アザラシ科、セイウチ科は結局、収斂進化ではなく、
どれも共通の祖先ネコ目イヌ亜目の動物でした。写真は「ネコ目イヌ亜目イヌ科イヌ:犬種ペキニーズ・ブラウン」です。彼は多分泳げません。

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